—— ニッポニアホテル 函館 港町
函館では、時間が潮のようにゆっくりと街と港の間を行き来しながら流れています。
江戸時代後期、函館は歴史的に重要な舞台となり、日本で最初に開港した港町の一つでした。開港以来、函館には世界中の文化や物が集まり、赤レンガ倉庫、洋館、教会、そして今もなお活気のある漁港などが、函館の独特の雰囲気を形作っています。
函館はかつて、香港やナポリと並んで「世界三大夜景」の一つに数えられていました。重要伝統的建造物群保存地区に指定されている歴史地区には、異人館(伝統的な中国建築)や築100年の建物が立ち並び、この港町の繁栄と変遷を物語っています。
赤レンガ倉庫の9つの部屋
NIPPONIA HOTEL 函館みなとはこの歴史地区の中心、赤レンガ倉庫群に位置しています。倉庫群に足を踏み入れた瞬間、まるで時の流れを忘れたような空間に足を踏み入れたような気分になります。
築100年のこの建物は、かつて函館名産のガゴメ昆布を加工する専門工場でした。独特の粘り気と高い栄養価で知られるガゴメ昆布は、かつて函館港の主要輸出品であり、函館を国際貿易の重要な拠点として確立しました。
その日、南山さんは私たちを博物館へと案内してくれました。保存された赤レンガの外観や太い木の梁から、まるで海の息吹を凍らせたかのようなロビーのインクジェット型のシャンデリアまで、彼女は隅々まで親しみを込めて物語を説明してくれました。壁一面に飾られた昆布をモチーフにしたアートインスタレーションも、建物の過去と現在を静かに物語っていました。
客室と光と影
ホテルには客室が 9 室のみあり、3 つの異なる階に分かれており、それぞれ赤レンガと木の温かみが残っています。
朝は港から柔らかな光が差し込み、夜は飛行機の音と港のざわめきが聞こえます。一部の客室にはデスクがあり、旅の合間に静かに仕事をするのに最適です。ミニバーには函館ビールや地酒に加え、シェフ特製の旬の肴をご用意。お部屋にいながら港町の味覚をお楽しみいただけます。
日常と非日常の間
NIPPONIA HOTEL 函館みなとでの滞在は、単なる宿泊体験にとどまりません。港町の暮らしを体感する旅です。西洋と日本の影響がシームレスに融合し、過去と現在が織りなす、旅の息づく日常。旅人たちは、日々の暮らしと旅の調和を体感できます。
赤レンガ倉庫を出て振り返ると、街の個性が港の姿と重なり合っていることに気づくでしょう。外の世界を優しく受け入れながらも、粘り強く独自のアイデンティティを守り続けている。函館の魅力は、まさにこれにあるのかもしれません。